近年、世界中で活発なプラネタリーディフェンスという活動はご存じですか? NASAをはじめJAXAも本格的に活動に参加してプラネタリーディフェンスに参加しています。
そんなプラネタリーディフェンスは、簡単にいってしまうと地球を巨大隕石から守るという活動です。
まるで漫画やアニメの最終回みたいですが、最後にヒーローは助けに来てくれないので
世界中の人間が地球に飛来するであろう巨大隕石からどうやって身を守るのか考える地球防衛隊的な活動です。
実際にどんな活動をしているのか見ていきましょう。
地球防衛?プラネタリーディフェンスとは
プラネタリーディフェンスは、地球に接近する隕石や小惑星から地球を守るための取り組みです。
天文学者、エンジニア、政府機関が協力して、隕石の軌道を追跡し、必要に応じて軌道を変える技術を開発しています。
国際協力が重要で、各国が情報を共有することで早期発見と対策が可能になります。
プラネタリーディフェンス|隕石の衝突の回避方法
【防衛作戦1】重力トラクター
重力トラクターを使用する方法では、宇宙船を隕石の近くに配置し、その重力を利用して隕石の軌道を徐々に変えることを目指しています。この方法は、長期間かけて少しずつ軌道を修正するため、事前に隕石を発見し、早期に対応することが重要です。
【防衛作戦2】高エネルギー爆発
高エネルギーの爆発を利用して隕石を破壊する、またはその軌道を変更する技術もあります。核爆弾や大規模な爆発装置を使って、隕石に直接衝突させるか、その近くで爆発させて衝撃波で軌道を変える方法です。この方法は短期間で大きな効果が期待できる一方、爆発の破片が新たなリスクを生む可能性もあります。
【防衛作戦3】太陽光セイル
太陽光を反射するセイル(帆)を利用する方法では、大きな反射面を持つセイル(帆)を隕石に取り付け、太陽光の圧力を利用して軌道を徐々に変えることを目指します。このアイデアは、長期間にわたり隕石に持続的な力を加えることができるため、比較的穏やかな手段です。
【防衛作戦4】避難と防衛
直接的な回避が難しい場合には、衝突予測地点からの避難や、衝突の影響を最小限に抑えるための防衛策が取られることもあります。例えば、衝突の被害を減らすための都市計画や、強化された建造物の設計などです。これらの方法は、衝突の被害を受ける可能性のある地域に対して事前に準備を行うことが重要です。
隕石は地球に落ちてくるのか
ほぼ毎日、小さな隕石が地球の大気に落ちてきては流れ星になって、そのほとんどは大気圏で燃え尽きてしまいます。
大きな隕石が地球に衝突する確率は低いものの、全く無視できるリスクではありません。
そのため、科学者たちは大量の小天体がある木星を中心に地球近傍天体を観測し、潜在的に危険な隕石を早期に発見するための努力を続けています。
かつて恐竜を全滅させた隕石の衝突
約6600万年前、直径10キロメートルの隕石が現在のメキシコのユカタン半島に衝突しました。
この衝突で巨大な噴火や粉塵が発生し、大規模な気候変動が起きました。
この出来事が原因で、恐竜を含む多くの生物が大量絶滅したと考えられています。
これがいつまた地球に落ちてくるかわからない状況なのです。
街を破壊した隕石
近年でも隕石の脅威は度々確認されています。
例えば1908年、シベリアのツングースカで巨大な隕石が爆発し、広範囲の森林が破壊されました。
2013年には、ロシアのチェリャビンスクに隕石が落下し、建物の窓ガラスが割れて多くの人々が負傷しました。
こうした事件は、隕石が都市部に落下した場合の危険性を現代でも十分に感じることができます。
小惑星が地球に落下する確率
では地球に小惑星(巨大隕石)が落ちてくる可能性はどのくらいあるのか気になりますよね。
実際、大型の小惑星が地球に衝突する確率は非常に低く、数百万年に一度程度とされています。直径1キロメートル以上の小惑星が100年以内に衝突する確率は0.1%未満と言われています。
太陽系には合計して131万6867個以上の小惑星が見つかっており、そのうち地球に接近する小惑星は3万3143個も存在しています。
しかし、小型の隕石や小惑星が衝突する確率は比較的高いため、定期的な観測と対策が求められています。
【地球防衛】プラネタリーディフェンスの今
現在、NASAやJAXAなどの宇宙機関は、地球近傍天体の監視プログラムを運用しています。
また、小惑星の軌道を変える技術開発が進められており、いくつかの成功例も報告されています。
国際的な協力体制のもと、危険な天体の早期発見と対策が強化されています。それがプラネタリーディフェンスといい、一般方の協力がとても重要な役割を担っています。
プラネタリーディフェンス|キミも地球を守らないか?
プラネタリーディフェンスに関心のある人はは、観測データの収集や報告に参加することが可能です
例えば隕石を過去隕石が落ちた場所で隕石の痕跡を探したり、はたまた隕石自体を探して研究機関に持っていったりなどすると大きな貢献となります。
ボランティアプログラムに参加すれば、科学者たちと協力しながら地球防衛に貢献することも可能です。
また、教育プログラムやワークショップを通じて、次世代の科学者やエンジニアを育成する活動も行われており、プラネタリーディフェンスに興味を持つ人を増やす活動を行っています。
まとめ
プラネタリーディフェンスの活動はいかがでしたでしょうか?
実際に地球に巨大隕石が落ちる確率は低いですが、ないとは言い切れません。
かつての恐竜の時代を終わらせたかのような巨大な隕石がいつ落ちてくるかもしれません。
実際、小惑星探査機はやぶさのミッションの一つにプラネタリーディフェンスがありました。
いつかの未来、はやぶさの持ち帰ったデータのおかげで地球が救われる日が来るかもしれませんね。
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