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“秋の夜空”と”星座が紡ぐ有名神話”~特徴と見つけ方~アンドロメダ座・ペルセウス座・カシオペヤ座・ケフェウス座〜

秋の夜空はまるでクリアなガラス窓越しに見ているような透明感があります。夏の暑さも去り、冷え込み始めるこの時期は星空観察にはぴったりの季節です。

ペガサス座やアンドロメダ座など、華やかなで見やすい星座が頭上に輝きます。秋の星座は夜空一面が壮大なストーリーになっています。

秋の星空のお話と観察方法をお伝えします。

もくじ

秋の星座の神話

その①『王女アンドロメダ姫』

アンドロメダを救うペルセウス|パオロ・ヴェロネーゼ

物語は、エチオピアの王ケフェウスと王妃カシオペアの間に生まれた美しい姫、アンドロメダから始まります。カシオペアは自らの美しさを誇り、海の女神たちの美しさよりも自分や娘の美しさが上だと自慢しました。

これに怒った海の神ポセイドンは、巨大な怪物ケトスを送り、エチオピアを破壊させると脅かしました。

王と王妃は神官に助けを求めました。神官はアンドロメダを犠牲にすれば怪物の脅威から救われると告げました。嘆き悲しむ王と王妃は、愛する娘を岩に縛り付け、怪物への生け贄として捧げることを決意しました

その②『勇者ペルセウス』

ペルセウス像|ベンヴェヌート・チェッリーニ

ゼウスの血を引く英雄ペルセウス。そんなペルセウスに与えられた任務は、ゴルゴンの一つ、メドゥーサの首を切り取ることです。

メドゥーサは、目を合わせる者を石に変える能力を持つ怪物でした。ペルセウスは神々から与えられた特別な装備、反射する盾、翼のついたサンダル、隠れるための透明のヘルメットを使用してメドゥーサを打ち倒しました。

その③『怪物との戦いの果てに』

アンドロメダーの救出 | シャルル=アメデー=フィリップ・ヴァン・ロー

ペルセウスがメドゥーサを退治して帰路についている時にアンドロメダ姫の話を聞きます。王女を助けるため、それは恐ろしい海の怪獣ケートスと戦いました。

激しい攻防の末、海の怪獣ケートスはペルセウスによって退治されアンドロメダーは無事に救われてペルセウスの妻となりました。このケートスはのちにくじら座になりました。

“秋の大四辺形”

四つの明るい星で構成される四辺形。秋の大四辺形、あるいは「秋の四辺形」とも呼ばれています。

この星たちは、天の川の流れる中に広がる四つの明るい星によって形成される大きな四角形の星群です。この四辺形は、ペガスス座の『マルカブ』『シェアト』『アルゲニブ』そしてアンドロメダ座の『アルファラッツ』の4つの星から成り立っています。

ギリシア神話では神々の窓中国では宮殿に見立てられたりしていました。

秋の星座はこの四辺形を基点にして、周りの星々を探すのによく使用されます。

“秋の大四辺形”の伝説

夜空に現れる明瞭な四つの星で形成される四辺形。ギリシア神話では、神々が地上を監視するための窓とも言われ、古代中国では壮大な宮殿や日本では枡形として親しまれています。

秋の大四辺形に関連する星座たちは、ギリシア神話を始めとした多くペルセウス伝説に登場してます。

秋の大四辺形はそのほとんどがペガスス座からできています。ペガスス座は、ペガサスという空を飛ぶ神話上の馬に関連しており、この馬は英雄ペルセウスとメドゥーサの物語に繋がっています。ペルセウスがメドゥーサの首を切り取った際に、彼女の首から生まれたと言われています

アンドロメダ座は、美しい王女アンドロメダに関連する物語で、彼女は海の怪物に犠牲として捧げられそうになりましたが、ペルセウスによって救われるという物語があります。

“秋の大四辺形”見つけ方

時間と場所

9月から11月の間、夜9時頃が観察に最適です。都市の光の少ない場所で、南から南東の空を見上げましょう。

最初の目印

まず、非常に明るい星、わし座のアルタイルを見つけます。この星は、夏の大三角の一部としても知られています。

四辺形を形成する星の探し方

アルタイルを起点にして、天の川沿いに目を移動させると、4つの明るい星が大きな四角形を描くのが見えます。これが秋の大四辺形です。

関連する星座の確認

四辺形の内部や近くには、ペガサス座やアンドロメダ座など、他の星座も見えます。この四辺形を基点に、夜空の他の美しい星座や天体を楽しむことができます。

“ペガスス座”

ペガスス座は、天空の北半球に広がる大きな星座の一つです。この星座の名前は、ギリシャ神話に登場する空を飛ぶ馬「ペガサス」から取られています。

ペガスス座の最も目立つ特徴は、秋の大四辺形の一部となる4つの明るい星で、この四角形は夜空で非常に目立ち、秋の訪れを告げる存在として多くの天文愛好者から愛されています。

“ペガスス座”の伝説

ペガサスにのるミューズ|オディロン・ルドン

空を飛ぶ伝説の馬、ペガサス。この星座はその姿をとらえたもので、ペガサスの胴体を形成する大四辺形と、その他の星々で構成されています。古代ギリシャの神話にはペガサスの冒険も豊富に語られており、読むと夜空がより楽しくなります。

ペガスス座の名前の由来であるペガサスは、ギリシャ神話において非常に有名な存在です。ペガサスは、英雄ペルセウスがゴルゴンのメドゥーサの首を切り取った際に、彼女の首の傷口から生まれたとされる白馬です。この馬は、後に雷神ゼウスによって星座として天に昇らせられました。

またペガサスの背に乗って、英雄ベレロフォンは怪物キマイラと戦ったとも伝えられています。
この伝説は、勇気と冒険心を象徴するものとして古代から語り継がれています。

このようにペガサスは多くの神話に登場し、どの物語でも活躍しています。

“ペガスス座”見つけ方

時間と場所

9月から11月の初旬にかけて、夜9時から11時の間が最適です。明るい場所よりも暗い場所を選び、南西の空を見上げることで最も明瞭に観察することができます。

探し方

秋の大四辺形の4つの明るい星を探します。この四角形の一部がペガスス座です。

ペガサス座の特徴

ペガサス座は、上記の四角形を持つ飛ぶ馬を形作っています。その頭部は下に向いており、胴体は四辺形そのものとして認識することができます。

“ペルセウス座”

ペルセウス座は、北半球の夜空に存在する星座で、秋から冬の初めにかけて最もよく見えます。この星座はギリシャ神話の英雄、ペルセウスにちなんで名付けられました。

ペルセウス座は、とくに明るい星を多く持っているわけではありませんが、変光星アルゴルが含まれることで知られています。この星は、一定の周期で明るさが変わることから、変光星として有名です。

“ペルセウス座”の伝説

メデューサの首を持ってピネウスに対峙するペルセウス|セバスティアーノ・リッチ

ペルセウス座の名前は、ギリシャ神話における英雄ペルセウスから来ています。ペルセウスは、半神としての血を引いており、ゼウスの息子として生まれました

彼の最も有名な冒険は、石化する力を持つゴルゴンのメドゥーサの首を切り取るというもの。この冒険を成功させた後、ペルセウスは空飛ぶ馬ペガサスを得ることとなります。

また、ペルセウスはエチオピアの王女アンドロメダを、海の怪獣ケートスから救い出したことでも知られています。
これらの伝説は、ペルセウス座とその周辺の星座、特にアンドロメダ座やペガスス座と深く関連しています。

“ペルセウス座”見つけ方

最適な時間と場所

11月から1月の初旬にかけてが観測に適しています。特に夜の8時から10時の間が良いでしょう。都市の明るい場所よりも暗い場所を選ぶことで、ペルセウス座を明瞭に観察できます。

主要な目印

アンドロメダ座を見つけることから始めると良いでしょう。アンドロメダ座の明るい星、アルフェラッツの近くに、ペルセウス座の星々が広がっています。

ペルセウス座の特徴

この星座は英雄が持つ武器や道具の形を思い起こさせる独特な形をしています。変光星アルゴルを中心に、多くの星々が放射状に広がっています。

“アンドロメダ座”

アンドロメダ座は、北半球の秋の夜空でよく見られる星座のひとつです。この星座の最も魅力的な部分は、肉眼で見ることができるアンドロメダ銀河です

これは、我々のミルキーウェイ銀河と衝突する運命にある隣の大きな銀河です。アンドロメダ座は、ペガスス座やペルセウス座などの近くに位置しており、これらの星座とともに多くの神話や伝説が紡がれています。

アンドロメダ座の中心部には、比較的明るい星がいくつかあり、都市部でも見ることができることから、初心者にとっても観測しやすい星座のひとつです。

“アンドロメダ座”の伝説

アンドロメダを救うペルセウス|ヨアヒム・ウテワール

ギリシャ神話におけるアンドロメダは、エチオピアの王女で、その美しさから多くの物語が紡がれています。彼女の母、カシオペヤ女王は、海のニンフたちよりも自分の娘の美しさを自慢したことから、神々の怒りを買い、海の怪獣ケートスが彼女の国を襲うこととなりました

アンドロメダは、この怪獣を鎮めるために犠牲として岩に縛り付けられましたが、英雄ペルセウスによって救われ、二人は結ばれました。この物語は、アンドロメダ座だけでなく、ペルセウス座やカシオペヤ座など、他の星座とも関連しています。

“アンドロメダ座”見つけ方

最適な時間と場所

秋の初めから冬の初めにかけてが観測に最適です。夕方から深夜にかけての時間帯が良いでしょう。都市の明るい場所よりも暗い場所を選ぶことで、アンドロメダ銀河を含む多くの星々を観察することができます。

主要な目印

アンドロメダ座はペガスス座の大四辺形の一部としても知られています。ペガスス座の大四辺形を見つけたら、その一部としてアンドロメダ座も探すことができます。

アンドロメダ座の特徴

アンドロメダ座の中心部には明るい星アルフェラッツがあり、これを中心に多くの星々が放射状に広がっています。アンドロメダ銀河は、この星の近くから北東方向に細長く伸びています

“カシオペヤ座”

カシオペヤ座は北半球で非常によく知られている星座で、特に「W」または「M」の形をした明るい5つの星から成る特徴的な形で知られています。オレンジの一番明るい星はシェダルと言います。

この星座は一年中見ることができ、日本をはじめ、北半球の多くの地域では北の空で目立つ位置にあります。

“カシオペヤ座”の伝説

カシオペヤ座は、ギリシャ神話におけるエチオピアの女王カシオペアにちなんで名付けられました。彼女は自身の美しさを誇り、その美しさは海のニンフであるネレイデスよりも優れていると公言しました。

この言動がネレイデスを怒らせ、彼女たちが海の神ポセイドンに助けを求める結果となり、彼女の国は海の怪物ケートスに襲われることとなりました。最終的には、彼女の娘アンドロメダが犠牲になることで怪物を鎮めようとしましたが、英雄ペルセウスによって救われました。

“カシオペヤ座”見つけ方

最適な時間と場所

カシオペヤ座は一年中見ることができますが、秋から冬にかけてが最も観察しやすい時期となります。夜空が澄んでいる場所、特に都市の明かりから離れた場所を選ぶと、星々がより鮮明に見えるでしょう。

主要な目印

「W」または「M」の形をした5つの明るい星が最も特徴的です。この形を探すことで、カシオペヤ座を容易に見つけることができます。他に明るい星が無いので、比較的探しやすいです。

カシオペヤ座の特徴

「W」の中央に位置するシェダルや、他の明るい星々と合わせて、カシオペヤ座の独特な形状を形成しています。北極星の近くに位置するため、方角を知るための参考点としても利用されることが多いです。

“ケフェウス座”

ケフェウス座は北半球の星空に輝く星座で、五つの主要な星から成る家の形に似た独特な形状が特徴です。

ケフェウス座は、特に秋の夜空で最も良く見えますが、北半球の高緯度地域では一年中観察することができます。この星座は、アンドロメダ座やカシオペヤ座とともに、古代の神話の中で大きな役割を果たしています。

“ケフェウス座”の伝説

ケフェウス座はギリシャ神話に登場した王、ケフェウスに由来しています。彼はエチオピアの王であり、カシオペヤの夫、そしてアンドロメダの父でした。

神話によれば、カシオペヤが海のニンフ、ネレイデスよりも自分の美しさが優れていると誇ったことで、怒ったネレイデスは海神ポセイドンに攻撃を求めました。

結果として、ケフェウスの王国は海の怪物ケートスに襲われることとなったのです。アンドロメダを犠牲にすることで怪物を鎮めようとするも、英雄ペルセウスによって彼女は救われました。

“ケフェウス座”の見つけ方

最適な時間と場所

秋の夜空が観察に適していますが、北部の地域では一年中観察可能です。都市の明るい光から離れ、夜空が澄んだ場所での観察をおすすめします。

主要な目印

五つの星が形成する家の形に似た形状が特徴的です。特に、この星座はカシオペヤ座の近くに位置しているため、カシオペヤ座の「W」の形を目印に探すと良いでしょう。

ケフェウス座の特徴

王冠のような形状をしており、北極星の近くに位置することから、北の空での目立つ位置にあることが多いです。

まとめ

これらの星座たちは、秋の夜空を華やかに彩ります。冷える夜空を背に、これらの星座を探しながら、古代の神話や伝説を思い起こすのも、秋の夜の醍醐味の一つです。

秋の夜空は、多くの美しい星座を楽しむことができる時期です。これらの星座は、古代の神話や伝説と繋がりがあり、その背後の物語は、星を眺める魅力をさらに高めてくれます。

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