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ハッブル望遠鏡とは?普通の望遠鏡と何が違う?

宇宙は私たちの知識の果てを超えた広大な領域で、その神秘と美しさは私たちの想像を超えています。その宇宙の深淵を探求するための最も重要なツールの一つがハッブル宇宙望遠鏡です。

球の大気を突破し、直接宇宙を観察することができるこの特殊な望遠鏡は、私たちにこれまでにない詳細な宇宙のイメージを提供してきました。この記事では、ハッブル望遠鏡の概要、その役割、成果、そしてその先について探っていきます。

もくじ

ハッブル望遠鏡とは何?

ハッブル望遠鏡の第3回目修理の風景http://spaceflight.nasa.gov/gallery/images/shuttle/sts-103/html/sts103_713_048.html

ハッブル宇宙望遠鏡は、まるで宇宙に浮かぶ巨大なカメラのようなものです。このカメラは、地球の大気を突破して宇宙まで飛んで行き、星や銀河、惑星など、私たちが地球から見ることができない遠くの天体の明るい写真を撮ります。

エドウィン・ハッブル(1889年11月20日 – 1953年9月28日)

この宇宙のカメラの名前は、有名な天文学者エドウィン・ハッブルさんから取られました。

普通の望遠鏡と何が違う?

ハッブル宇宙望遠鏡と地上の望遠鏡とどんなところが違うのでしょうか。

宇宙にあるので大気の影響がない

地上の望遠鏡は地球の大気の影響を受けます。大気は星や他の天体からの光を歪ませ、画像の明瞭度を低下させます。これは「大気のゆらぎ」と呼ばれ、星がきらきらと見える主な理由です。

一方、ハッブル宇宙望遠鏡は地球の大気の上(宇宙)に位置しているため、このような問題を回避しています。その結果、ハッブルは非常に鮮明で詳細な画像を提供できます。

観測時間

ハッブル宇宙望遠鏡は地球の軌道上にあるため、対象となる天体を長時間にわたって連続観測することが可能です。

それに比べ普通の望遠鏡は地球上にあるため自転の影響を受けてしまいます。回ってしまうため観察対象を見える時間が限られてしまいます。

波長範囲

地上の望遠鏡は大気によって一部の波長の光(特に紫外線と一部の赤外線)が吸収され観測することができません。しかし、ハッブル宇宙望遠鏡は大気外にあるため、広範囲の波長を観測することができます。

ハッブル望遠鏡は名カメラマン

ハッブル望遠鏡の写した美しい写真と詳しい動画

ハッブル望遠鏡が撮る写真はとても美しいものばかりです。鮮やかな色の星雲、無数の星々が輝く銀河、地球とは全く違う色と形をした惑星など、私たちが普段見ることのできない宇宙の風景をハッブル望遠鏡は捉えます。

また、ハッブル望遠鏡は人間の目には見えない光も撮影できます。そのため、まるで宇宙の隠れた秘密を暴くような仕事をしています。

ハッブル望遠鏡はどこにある?

ハッブル望遠鏡は地球の周りを飛び回っています。地球を一周するのに約96分かかります。その間に、ハッブル望遠鏡はさまざまな方向にカメラを向けて、色んな天体の写真を撮っていきます。

地球の周りをぐるぐると飛び回りながら、宇宙の様々な場所を観察するのです。

ハッブル宇宙望遠鏡 VS 地上の望遠鏡

ハッブル望遠鏡の大きな鏡の研磨風景

最も明白な違いはその「場所」です。地上の望遠鏡は、その名の通り私たちのすぐそば、地上に設置されています。それに対してハッブル宇宙望遠鏡は地球の大気圏を突破し、宇宙の中にいます。だからこそ、「ハッブル」は「宇宙望遠鏡」なんです。

そして、その位置によって望遠鏡の観察能力が大きく変わります。地上の望遠鏡は残念ながら大気の影響を受けざるを得ません。大気が星の光を揺らせ、「ちらつき」を引き起こします。これにより、星がぼやけて見えてしまいます。しかし、大気圏外にあるハッブル望遠鏡は、この大気のゆらぎから解放され、クリアな画像を我々に届けてくれます。

さらに、大気は特定の波長の光を吸収します。つまり、地上の望遠鏡では紫外線や一部の赤外線などを観察することはできません。

しかしハッブル宇宙望遠鏡はこうした大気の制約を受けないため、それらの波長を含む広範な電磁スペクトルの観察が可能となるのです。

そして最後に、地上の望遠鏡が地球の自転や天候によって観察可能な時間や条件が制約されるのに対し、ハッブル望遠鏡はこのような問題からもありません。

壮大な謎を解き明かす鍵

ハッブル望遠鏡は、ただ美しい写真を撮るだけではありません。

その写真から、星や銀河がどうやって生まれ、どうやって成長してきたのか、そして、宇宙全体がどう動いているのかなど、宇宙の大きなストーリーを読み解くヒントを見つけ出します。それはまるで、大きなジグソーパズルのピースを一つ一つ集めていくような感じです。

後継機が生まれた

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡

ハッブル望遠鏡はすごい仕事をしていますが、もっと先を見た新しいカメラがすでに準備されています。

その名前は「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」。ジェームズ・ウェッブ望遠鏡は、ハッブル望遠鏡が見ることができなかった宇宙の一部を見ることができます。

これにより、宇宙がどのように生まれ、どのように成長してきたのかをさらに詳しく理解することができるでしょう。

宇宙を”知る”ために

ハッブル望遠鏡の撮影物の紹介

ハッブル望遠鏡は初めて宇宙に送られた時から、その役割は変わりつつあります。最初は、遠くの星や銀河をより詳しく見るための道具でした。

しかし、今では、新しい天体の発見や天体の衝突、超新星爆発など、宇宙の「出来事」を記録するカメラとしての役割も担っています。

また、ハッブル望遠鏡が送り返してくるデータは、新たな科学的問いを立てるきっかけにもなっています。

ハッブル望遠鏡の終わりと新たな始まり

ハッブル望遠鏡の捉えた別の銀河

ハッブル望遠鏡はすでに長い間宇宙で活躍していますが、いつかその役割は終わるでしょう。しかし、その後を継ぐ新しい宇宙望遠鏡たちはすでに準備中です。

それらの望遠鏡は、ハッブルが見ることのできなかった宇宙の一部を観察し、新たな発見をもたらすでしょう。ハッブル望遠鏡の終わりは、新たな宇宙の探求の始まりでもあるのです。

【まとめ】

ハッブル宇宙望遠鏡は、宇宙の理解に貢献するための重要な道具であり、その存在は科学者だけでなく、一般の人々にも大きな影響を与えています

その観察結果から得られる知識は、我々が住む宇宙の複雑さと驚異を浮き彫りにしています。また、ハッブル望遠鏡は、新たな科学的探求の道を開くためのきっかけを提供しています。

その役割が終わるとき、新たな望遠鏡がその後を継ぎ、更なる発見をもたらすでしょう。ハッブル望遠鏡の終わりは、新たな宇宙の探求の始まりでもあるのです。

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