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宇宙では血液が沸騰する!?真空・気圧・宇宙服の都市伝説

宇宙では血液が沸騰するウワサを聞いた事がありますか?
宇宙空間には、私たちの想像を超えた不思議や驚きが満ち溢れています。
その中でも「宇宙で人間の血液が沸騰する」という都市伝説は、多くの人々の興味を引きまよね。

しかし、この話には宇宙の真空状態、気圧の違い、そして宇宙空間に人間が出たらどうなってしまうのか?
宇宙服の科学的な役割が深く関わっています!
今回はウソホントか宇宙空間の都市伝説について見ていきます!

もくじ

「血液が沸騰する!」その真相

血液が沸騰する」という表現は、宇宙空間での低圧下で体液が気化する現象を指し、文字通りの沸騰を意味するわけではありません

地球の大気圧下では水の沸点は100度Cですが、圧力が下がると沸点も下がります。

人間の血管はいつも圧力がかかっている

人間の体内では、「血圧」という言葉が示すように、血管内は外部よりも常に高い圧力がかかっています。
地球上の気圧が760mmHgであっても、人間の平均的な血圧は120/80mmHgです。
そのため、宇宙空間のような低圧環境では、地球の大気圧下に比べて体液の沸点が大幅に下がり、気化しやすくなります。

宇宙服を着ていなくても爆発はしない

しかし、この低圧環境下で体液が気化する現象は実際に起こり得るため、 宇宙飛行士を保護する目的で宇宙服の着用が必須です。

宇宙服なしで宇宙空間にさらされると体液が気化し始めますが、 それは即座に血液が沸騰するということではありません。

【都市伝説】宇宙服を着ずに宇宙に出るとどうなる?

体が爆発する?その真相

体が宇宙空間で「爆発する」というのもデマであり、実際には人体が爆発することはありません。
人体は主に水で構成されており、宇宙空間のような低圧環境では体液が気化しやすくなりますが、人体の皮膚と内部構造は一定の圧力を保つ能力を持っています。

そのため、宇宙空間で人体が即座に「爆発」することはありません。
体液が気化することによって膨張は起こり得ますが、これは体が「爆発」するというよりは、むしろ膨らむ現象に近いと言えます。

瞬間冷凍する?その真相

瞬間で冷凍されるというのも、この都市伝説はデマです。
宇宙空間はマイナス270℃という極寒であるため、一気に凍るのではないかと考えられがちですが、実際にはそうはなりません。
真空状態では熱を伝える物質が存在しないため、地球上のように空気を介して熱が伝わることがありません。

そのため、水分の蒸発によって人体から熱が奪われていくものの、瞬間的に体が凍結することはありません。

宇宙でオナラをすると大爆発する?その真相

宇宙船内で人体が爆発するという話はほぼデマですが、昔の宇宙船内のような密閉空間では、理論上爆発する可能性がゼロではありませんでした。

人体は水素とメタンを生産することができ、密閉された場所での放屁により引火する可能性があるためです。
しかし、実際に発火することはありません。 なぜなら、全ての人の体内にメタンガスが含まれているわけではなく、最近の宇宙船ではそのような事故が起こる可能性はほとんどあり得ないからです。

逆に宇宙では気圧が下がるため、胃や腸の中のガスが膨らみやすくなり、おならやゲップが出やすくなります

宇宙の危険!実際|宇宙の死に方

宇宙服を着ていない状態で宇宙空間に出ても、一瞬で死に至るわけではありません。
実際には、真空状態であっても1分から2分間は生存が可能です。

さらに、生身で宇宙空間に出た場合、30秒程度であれば後遺症が残ることもないとされています。
これは宇宙空間の過酷な環境に人体が意外と耐えることができるためであり、短時間であれば生命に即座に危険が及ぶわけではないということを意味しています。

“死亡ケース①”窒息して死ぬ!

宇宙空間においては、まず血液中の酸素が枯渇することから始まります。

これにより、わずか6~12秒後には意識を失うことになります。
意識を失った後は、痙攣と麻痺が起こります。
そして最終的には体から空気が抜けきり、窒息状態に陥って死亡します。

これらの過程は非常に迅速に進行し、宇宙空間の厳しい環境下での人体の脆弱性を示しています。

“死亡ケース②”膨張して死ぬ!

宇宙空間においては、圧力の差により体内の空気が強制的に排出されます。

この状況で息を止めようとすると、肺に過剰な圧力がかかり、肺が破裂してしまう可能性があります。
その結果、死亡に至ることもあり得ます。
この事実は、宇宙空間の極端な環境が人体にとっていかに危険であるかを物語っています。

本当はわからない宇宙で迎える死

宇宙空間で死亡し、そのまま放置された人はいません

宇宙事故による死亡例はこれまでに3名ありますが、これはソユーズ11号の帰還時に起きた事故によるものです。
この事故では、船内の空気が漏れ出し、乗組員が窒息死してしまいました。
ソユーズ11号は地球に帰還し、遺体も発見されました。

この悲劇は、宇宙飛行の危険性と、万全の安全対策の重要性を改めて浮き彫りにしました。

“最強装備”宇宙服は服ではなく、もはや小型宇宙船

宇宙服は、宇宙の真空状態、極端な熱環境、宇宙塵などから宇宙飛行士の身体を守るために設計されています。
これにより、船外活動が現在最大8時間まで可能となっています。

宇宙服には、宇宙の厳しい環境から宇宙飛行士の体を守る重要な役割があります。
具体的には、真空や極端な高温・低温、さらには小さな宇宙塵の衝突から体を守る機能を持っています。
これらの機能により、宇宙飛行士は宇宙空間の過酷な環境下での活動を安全に行うことができます。

まとめ

まとめると、宇宙での血液が沸騰するという都市伝説は、宇宙の真空状態と気圧の違いを根拠にしていますが、現代の宇宙服技術により、宇宙飛行士はこのような極端な環境下でも長時間の安全に活動できるようになっています!

現在は最大でも宇宙空間に8時間しか宇宙服を着て出ることができませんが、将来的にはドンドン長くなっていって、宇宙で住めるようになるといいですね。

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