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宇宙飛行士になるため必要なこと|JAXAが実際に行った選考内容を詳しく解説

JAXAの宇宙飛行士になるには何年度かに一度ある宇宙飛行士候補に合格しJAXA職員になる必要があります。

そうして職員になった後、約2年間の訓練の後宇宙に行けるかどうか決まります。

宇宙飛行士は人類のために人生をかけて宇宙に行く覚悟と経験が必要でなろうと思って慣れる物ではありません。

この記事では、実際にJAXAで行われた宇宙飛行士採用試験の流れを見ていきながらわかりやすく解説していきたいと思います。ぜひ宇宙飛行士を目指す際の参考にしてください

もくじ

JAXAが実際におこなった!宇宙飛行士の応募条件

宇宙服の制約や宇宙で活躍するために重要な【身長】

身長149.5cm〜190.5cm

この条件は、宇宙服のサイズ範囲に合わせたものです。
例えば、これは平均的な成人女性の身長が157cm前後である日本において、少し低めの身長から、プロバスケットボール選手くらいまでをカバーしています。

宇宙船内での動きやすさと、宇宙服のフィット感を考慮した結果、このような範囲が設定されました。

観測状況や物をはっきりと見る力【視力】

遠距離視力 両眼とも矯正視力1.0以上

応募者は両眼ともに矯正視力が1.0以上である必要があります。
この条件は、宇宙任務中に遠くの物体や情報を正確に識別できる能力を確保するためです。

さらに、テストでは、直径7.5mm、太さ1.5mmの円の一部が1.5mm幅で切れている環(ランドルト環)を5m離れたところから見て、切れている方向を正確に識別できる能力が視力1.0として定義されています。

これは、宇宙飛行士が細かいディテールを識別する能力を持っていることを示すテストです。

パソコンで視力検査できるサイトのリンクを貼っておくので練習でどうぞ

間違いが起こらないように物の認識を合わせるための【色覚】

テストを用いて正常と診断

応募者の色覚は正常である必要があり、これは石原式色覚異常検査表を用いて検査されます。
この検査は、専用の図を見て色覚異常の有無をおおまかに検出するもので、宇宙飛行士が正確な色の識別ができることを保証します。

色覚異常があると、宇宙任務中の様々な色を用いた識別作業や、緊急時の信号認識に影響を及ぼす可能性があります。

↓色覚検査とはこんなのです

指示を聞き漏らしなく全て聞くための【聴力 】

背後2mの距離で普通の会話可能

応募者は正常な聴力を持っている必要があり、これは背後2mの距離から普通の会話が可能であることで確認されます。

日常会話の音量は約60dBであり、2m離れると約6dB下がりますが、背後からの会話であっても40dBの音が聞こえるなら、聴力は問題ないとされます。

これは、宇宙船内でのコミュニケーションがスムーズに行えることを保証するための重要な条件です。

↓検査内容とは違いますが聞こえるかのテストがしたい方はこちらをお試しください

JAXAの宇宙飛行士が受けた8つの難関試験

宇宙飛行士になるためには、宇宙は地球とは大きく異なる環境であり、そこで生活や任務を遂行するには特別な能力や健康状態が求められます。

日本の宇宙機関であるJAXA(宇宙航空研究開発機構)が宇宙飛行士の選抜に使う8つの試験何度か行っています。

では試験にについて、簡単に説明します。

書類選考
まず最初のステップは、応募者が提出した履歴書や職務経歴書などの書類を精査することから始まります。この段階で、応募者の学歴や職歴、宇宙飛行士としての潜在的な資質が評価されます。

英語試験
宇宙飛行士は国際的なミッションに参加するため、流暢な英語が求められます。英語試験では、会話、リスニング、読解、ライティングの能力がチェックされます。

医学検査
宇宙飛行士は極めて厳しい身体的条件下で働く必要があるため、健康状態が徹底的に調べられます。この検査では、視力、聴力、心臓機能などが評価されます。

医学特性検査
これは、応募者の健康状態をさらに詳しく調べるための検査で、ストレス耐性や心理的な健康を含む、より専門的なテストが行われます。

プレゼンテーション試験
詳細な試験は不明ですが応募者は、テーマに基づいてプレゼンテーションを行い、そのコミュニケーション能力や専門知識を評価されます。

資質特性検査
この段階では、応募者の性格やチームワーク能力、リーダーシップ、問題解決能力などがテストされます。宇宙ミッションでは、これらの能力が非常に重要になります。

運用技量試験
実際の宇宙ミッションでの作業能力を試すために、シミュレーションや模擬試験が行われます。応募者は、特定のタスクを正確かつ迅速に完了させる能力を示さなければなりません。

面接試験
最後のステップとして、応募者は面接官の前で自己紹介し、これまでの経験宇宙飛行士になりたい理由などを話します。ここでは、人間性やモチベーション、プレッシャーに対する耐性が評価されます。

JAXAの宇宙飛行士選抜過程は、非常に厳格で多岐にわたる試験で構成されています。

これは、宇宙環境での任務遂行能力だけでなく、身体的・精神的健康、協調性、リーダーシップといった、チームで働く上で必要な資質を総合的に評価するためです。

この過程を通じて、最も優れた候補者だけが宇宙飛行士としての訓練を受ける機会を得ることができます。

「宇宙に行けるのはこんな人」JAXAが求めた宇宙飛行士の人物像

国際共同事業、多国籍なメンバーシップのチームの中において、日本の代表として、多様性を尊重しつつ、ミッションを成功に導くための協調性と十分なリーダーシップを発揮できる。

JAXAが宇宙飛行士に求めているのは、国際共同事業や多国籍なメンバーを持つチームの中で、日本の代表として多様性を尊重しながら、ミッションを成功に導くための協調性とリーダーシップを発揮できる人物です。

このような資質は、過去に宇宙飛行士が参加していた習い事、例えばボーイスカウトなどで育成されることがあります。

ボーイスカウトでの活動は、偏見を持たずにチームワークを尊重し、リーダーシップを発揮する能力を養うのに適しており、まさにJAXAが宇宙飛行士に求める資質を育て上げる環境を提供するものと言えます。


来たる国際宇宙探査ミッションを見据え、様々な環境に対しても適応能力があり、宇宙という極限環境での活動においても、柔軟な思考と着眼点を持ち、自らを律しつつ、適時的確な判断と行動ができる。

国際宇宙探査ミッションを見据え、宇宙という予測不可能で極限の環境においても、様々な状況に適応できる能力を持ち、未体験や理解しがたい事態に対しても冷静に判断し、柔軟な思考と着眼点を持って自らを律することができる人間が求められています。

さらに、緊急事態においては、チーム全体だけでなく、個々の対応力も極めて重要であるとされており、適時的かつ正確な判断と行動ができることが必須とされています。

ミッション参加により得た経験・体験・成果を世界中の人々と共有する表現力・発信力があり、それらを活用し人類の持続的な発展や次世代のために貢献する。

宇宙に行った人間というのは、発展した今の時代でさえも珍しい経験を持つため、

JAXAはそのような未体験の体験や成果を広く世界中の人々と共有することの重要性を強調しています。

この考え方を体現する一例として、野口聡一さんは自らのYouTubeチャンネルを通じて、宇宙ミッション参加により得た貴重な経験や体験を伝え、それらを活用して人類の持続的な発展や次世代への貢献を目指しています。

2021年に行われたJAXA宇宙飛行士の採用試験『選ばれた2人の宇宙飛行士候補生』

募集 4,127人

書類選抜通過人数 2,266人

第0次選抜通過人数 205人

第一次選抜通過人数 50人

第二次選抜通過人数 120人

第三次選抜通過人数 2人

この選考で合格したのは、異なる経歴を持つ二人の候補者です。 一人目は40代の男性で、プリンストン大学を卒業後に青年海外協力隊員として派遣され、その後は世界銀行に入行し、宇宙飛行士の選抜に残りました。

もう一人は20代の女性で、東京大学医学部を卒業後に同大学の附属病院に入職し、その後赤十字医療センターに転職して宇宙飛行士の選抜に残りました。

これらの宇宙飛行士候補者は、今後約2年間の基礎訓練を受け、その訓練結果が評価された後に、JAXAの宇宙飛行士として認定される予定です。

まとめ

宇宙飛行士になるには視力などの身体的な特徴のみならず、精神性や経験が非常に重要のようです。

人生をかけてこれまで積み上げてきた経験を全てぶつけることで宇宙に行くことを仕事にできる、間違いなく一番難しい職業です。

宇宙に対して果てなき挑戦をしてみたい方はぜひ本気で宇宙飛行士を目指してください!

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