みなさん、彗星のことはどれだけご存じですか?
映画やアニメーションではよくモチーフになって話題になったりしますよね。
特に「君の名は」では彗星が落ちてくることで物語が大きく進みます。
今回はそんな話題に上がりやすい彗星の意外な豆知識と雑学をご紹介します!
気になったトピックだけでもチェックしてみてください!
豆知識1|彗星は匂いは〇〇の香り
2004年に欧州宇宙機関(ESA)によって打ち上げられた探査機ロゼッタは、
2014年にアヒルのおもちゃのような形をしたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到達しました。
その際の分析で、彗星の表面からは猫のおしっこや腐った卵を思わせる匂いがすることが判明しました。
この匂いは、彗星に含まれる硫黄化合物やアンモニアが原因であるとされています。
しかし宇宙空間には空気がないため匂いはしません。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のサンプルの香りが猫のおしっこの香りがしたらしい
豆知識2|ワイン5000本分のアルコールを撒き散らしている彗星がある
2015年スペインで観測された、ラヴジョイ彗星から1秒間にワインボトル5,000本分に相当するエタノールが放出されていることが確認されました。
エタノールは地球上で最も一般的なアルコールの一つですが、 彗星からエタノールが検出された初めての事例でした。
この発見は、彗星の衝突が生命の誕生に必要な有機分子を地球に運ぶ可能性を示唆しており、
彗星が生命の起源にどのように関与しているかの理解を深めるものです。
ラヴジョイ彗星の噴出するガスには1秒間にワインボトル5,000本分アルコールを放出している
豆知識3|彗星は『〇〇』いう妖怪の元ネタ
妖怪である天狗は元々彗星(もしくは流れ星)がモチーフだと言うことはご存じですか?
天狗という名称は、元々中国の妖怪に由来しています。
中国では彗星の長く伸びた尾が狗(犬)に似ているため、「天の狗」と呼ばれるようになりました。
この概念は唐の時代に日本に伝わり、『日本書紀』には「天狗アマキツネ」と記述されています。
つまり、日本における天狗のイメージである長い鼻に赤い顔は近年の解釈で後々になり独自の進化をしていった結果と言うことですね。
中国では彗星のことを天狗と呼んでいた
豆知識4|メシエカタログは新彗星発見の邪魔物リスト?!
メシエカタログは、フランスの天文学者シャルル・メシエによって作成された星雲、星団、銀河の110個の天体を記録したリストです。
これらの天体は「M〇〇」という形式で番号付けられています。
メシエ自身は彗星探索者としても知られており、新しい彗星を探す過程でしばしば「あ!彗星!…いや違うわ」みたいな感じで他の天体と誤認してしまうことがありました。
そのため、彗星以外で彗星に似た見た目を持つ天体を区別するために、これらの天体をリスト化しました。
このリスト作成目的の一つが、新彗星発見の際の誤認を避けるためであり、
実質的には「新彗星発見の邪魔物リスト」として機能していたと言う説があります。
メシエカタログはフランスの天文学者シャルル・メシエの星雲・星団・銀河のリスト
豆知識5|赤い彗星は実際にあるのか
アニメ『機動戦士ガンダム』のキャラクター、シャア・アズナブルが赤いモビルスーツ(MS)で戦場を駆け抜ける姿から「赤い彗星」という異名を持っています。
この異名はシャアのMSの速度が他のMSの3倍であることに由来しているのですが、
現実に赤い彗星は存在しているのでしょうか?
赤い彗星は彗星自体がどのような物質で構成されているかに大きく作用されます。
本来彗星は青い尾と白い尾の二つのを思っているのですが2020年に発見されたネオワイズ彗星は赤い尾を持っていました。
ネオワイズ彗星は通常、彗星が持つ青と白の2本の尾とは異なり、
ナトリウムを含んでいたために特異な赤い尾を引いていました。
この珍しい現象は、彗星の組成によるもので、地球からの観測時に鮮やかな赤色が目立つことが特徴でした。
次にネオワイズ彗星が地球の近くに来るのは約8700年後とされており、 見えるのは2061年です。
その時に再びその赤い尾を目にすることができるかもしれません。
赤い尾を引くネオワイズ彗星
豆知識6|彗星を狙うハンターがいるらしい
彗星ハンターとは、新しい彗星を発見することを目指す人々で、主にアマチュア天文学者が多いです。
例えば、日本のアマチュア天文学者である関勉氏は、彼の発見した「関彗星」で知られています。
彗星ハンターたちは特別なソフトウェアと高性能の望遠鏡を使用して、彗星を探します。
新しい彗星の発見は、発見者に名誉をもたらすだけでなく、
科学的な観点からも太陽系の理解を深める重要な貢献となります。
彗星ハンターの努力により、多くの未発見彗星が確認されています。
コメットハンターと言われており見つけると名前がつけられる権利を持つ
豆知識7|別々の場所で二人同時に発見した奇跡の瞬間
池谷・関彗星は、アマチュア天文家の池谷薫と関勉によって全く別の場所で独立して発見された彗星です。
両名にとってこれが3つ目の彗星発見となりました。
この発見がなされたのは、驚くべきことに、
お互いの発見時刻がたった15分の時間差しかなかったという事実からも、 その奇跡的な偶然性がうかがえます。
池谷氏は台風の目の状態で、関氏は台風が通過した後の晴れ間を利用して、
それぞれ異なる場所からこの彗星を発見しました。
このような運命的なタイミングでの発見はまるでドラマのようで実際、 ラジオドラマになったそうです。
詳しくはYouTubeで池谷・関彗星のラジオドラマ「コメット・イケヤ」を見てみてください。
運命的な発見の池谷・関彗星
豆知識8|彗星は雪だるまと呼ばれている!?
彗星はその構造が砂と氷で構成されており、太陽に近づくとその熱で氷が溶け出します。
このため、その外見が汚れた雪だるまのように見えることから、
「汚れた雪だるま」と喩えられ呼ばれています。
この形状と構成が、彗星の特徴的な尾を生み出す要因となっています。
また、日本では彗星のことを「箒星(ほうきぼし)」と呼ぶことがあります。
これは彗星の尾が長く、光り輝いて見える様子が箒のように見えるためです。
このように、彗星はその見た目や構造から多様な呼び名で知られています。
その構成されている要素から汚れた雪だるまと呼ばれている
豆知識9|彗星に名前が付けれる!?先着〇〇名まで!
彗星や星の名前は発見者の名前がつけられます。
通常、彗星を発見者、または2人以上で発見した場合は3人までの名前(姓)が、
彗星の名前として付けられます。
発見者の意見によって変更することは基本的にできません。
このルールにより、彗星はしばしば複数の発見者の名前を組み合わせた名前で呼ばれることになります。
また、近年では天文学の技術進歩に伴い、グループによる発見が増えています。
そのため、グループ名やプロジェクト名を彗星に付けるケースも珍しくありません。
例えば、自動追跡システムによる発見の場合、
そのシステムやプロジェクトの名前が彗星に付されることがあります。
一生残るであろう星の名前をつけることができるのでぜひ新しい彗星を探してみてください。
彗星や小惑星は見つけた人2人分まで名前をつけることができる!
豆知識10|彗星は太陽がないと〇が出ない
彗星は太陽に近づくと、その表面の氷が太陽の熱で彗星内の氷が蒸発し、ガスとして放出されます。
このガスが太陽光によって後ろ向きに押し出されることで、 星特有の長い2つの尾が形成されます。
また、彗星の核は太陽の近くを通過するたびに少しずつ蒸発し、 その大きさは徐々に小さくなっていきます。
何度も太陽に接近すると、最終的にはその存在が目に見えなくなるほど小さくなることがあります。
このため、彗星が太陽に近づかないと、美しい尾を形成することはありません。
彗星が太陽に溶かされている様子があの光の尻尾
【まとめ】
彗星はその見た目や時代の節目節目で現れ当時の人たちを大きく惑わしました。
そのおかげで彗星には特殊な物語が多く、面白い豆知識を多く紹介できました。
この記事で知った彗星の不思議を、ぜひお友達にお話して見てください!
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