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反射望遠鏡の種類紹介ニュートン式・グレゴリー式・カセグレン式・シュッミット式

反射式望遠鏡は、屈折式望遠鏡に比べさらに暗い天体を探るための重要な望遠鏡です。
今回は、反射望遠鏡の中でも特に有名な3つのタイプについて、
その特徴やメリットをわかりやすくご紹介します。
この記事では、その代表的な種類であるニュートン式、グレゴリー式、カセグレン式、について紹介します。

もくじ

ニュートン式望遠鏡

アイザック・ニュートンは、イングランド出身の物理学者、数学者、天文学者で、重力の法則や微積分の発明者として広く知られています。

1668年、アイザック・ニュートンによって開発されたこの望遠鏡は、光学望遠鏡の設計における大きな革新でした。ニュートンは、当時の屈折望遠鏡が抱えていた色収差の問題を解決するために、反射望遠鏡の設計を考案しました。彼の設計では、曲がった鏡(凹面鏡)を使用して光を集め、焦点に結像させることで、より鮮明な観測が可能になりました。

ニュートン式望遠鏡 | 構造

ニュートン式望遠鏡は、主鏡(対物鏡)が光を収集し、副鏡(斜鏡)が光を角度で調整し反射します。
そのため、望遠鏡の側面に配置された接眼レンズから観察ができます。

主鏡(凹面鏡)ニュートン式望遠鏡の核心部分は、大きな凹面鏡、すなわち主鏡です。この鏡は望遠鏡の背部に位置し、入射する光を集めて反射します。主鏡は通常、パラボラ形状をしており、光を一点に集中させることができます。これにより、星や惑星などの天体からの光を効率的に集めることが可能になります。

副鏡(平面鏡)主鏡によって反射された光は、望遠鏡の筒の上部に斜めに取り付けられた小さな平面鏡(副鏡)に向けられます。この副鏡は、主鏡で集められた光を望遠鏡の側面にある観測口へと反射します。

観測口(接眼レンズ)副鏡によって側面に反射された光は、望遠鏡の側面に取り付けられた接眼レンズを通過します。接眼レンズは、反射された光を拡大し、目で観察しやすくします。接眼レンズは交換可能で、異なる倍率のレンズを使用することで、観察の焦点距離を変えることができます。
この方式はシンプルで、比較的低コストで製造可能です。

メリット

ニュートン式反射望遠鏡は、多くのメリットを持つ反射望遠鏡の一つです。その中でも、安定思考の人にお勧めであり、初めて望遠鏡を使用する人にも適しています。

その理由は、色収差が生じないため、観測時の色のズレや歪みを気にすることなく、クリアな視界を得ることができます。

また、シンプルな構造で頑丈に作られているため、取り扱いやメンテナンスが容易です。さらに、高い性能を持ちながらもコストパフォーマンスが良いため、予算内で高品質な観測を楽しむことができます。これらの特徴から、ニュートン式反射望遠鏡は多くの天文愛好者に支持されています。

グレゴリー式望遠鏡

グレゴリー式望遠鏡は、スコットランドの数学者ジェームス・グレゴリーにより1663年に考案されました。

彼は放物凹面の主鏡と楕円凹面の副鏡を使用し、正立像を得られる望遠鏡を発明しました。しかし、当時の技術水準では正確な研磨も光軸調整もできなかったため、実物の製作は困難で、試作は不成功に終わりました

グレゴリー式望遠鏡 | 構造と特徴

グレゴリー式望遠鏡は、凹面の主鏡と凸面の小鏡を使用します。

光は小鏡を通過し、望遠鏡の後部にある焦点で交差します。これにより、光の経路が折り返され、望遠鏡全体の長さが短くなります。 他の反射望遠鏡より鏡筒が長い傾向になります。

メリット

グレゴリー式反射望遠鏡は、反射望遠鏡の中でも独特の魅力を持つものです。

長大な焦点距離を持ちながらもコンパクトな構造をしているため、取り扱いや設置が容易であり、ニュートン式に比べて安定した構造を持っているからです。

しかし、市販では一般的に売られていないため、独自性や希少性を求める方には特に魅力的です。これらの特徴から、グレゴリー式反射望遠鏡は、歴史や技術の深みを感じたい天文愛好者にとって、非常に価値のある選択と言えるでしょう。

カセグレン式望遠鏡

カセグレン式望遠鏡は、1672年にローラン・カセグレンによって開発されました。 ローラン・カセグレンは、スウェーデンの天文学者で、彼の名前がこの望遠鏡のタイプに付けられました。

カセグレン式派生望遠鏡

  • マクストフ・カセグレン式
  • ドール・カーカム式
  • リッチー・クレチアン式
  • ナスミス式
  • クーデ式

カセグレン式望遠鏡 | 構造と特徴

カセグレン式望遠鏡は、凹面の主鏡と小鏡が特徴で、小鏡は主鏡に穴を開けて取り付けられており、主鏡で反射された光を小鏡で再反射して、主鏡の中央の穴を通って焦点に導きます。

放物面鏡で集めた光を、双曲面鏡で伸ばし、放物面鏡の裏側で観察します。筒の長さに対して焦点距離が長く取れるため、コンパクトながらも長焦点の望遠鏡を実現できます。これはクラシカルカセグレン、または古典的カセグレンとも呼ばれます。

メリット

グレゴリー式反射望遠鏡は、その独特の特性から多くの天文愛好者に選ばれるものです。

特に、こだわりが強く、さまざまなタイプの望遠鏡を試してみたいという方や、プロフェッショナルな観測を目指す方には最適です。

また、長焦点距離を持ちつつもコンパクトな構造をしているため、高解像度の画像が得られ、詳細な観測が可能です。

さらに、カメラや他の機器を取り付けやすい設計となっているため、撮影や研究にも適しています。

これらのメリットから、グレゴリー式反射望遠鏡は、高度で手軽な観測を求める天文愛好者にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。

性能比較

ニュートン式

  • 特徴シンプルな構造。コストパフォーマンスが高い
  • 用途アマチュア天文学者に人気。多様な天体観察に利用可能。
  • 一般的に反射望遠鏡というとニュートン式をことを指します。
  • 開放型のため、メンテナンスが必要。

グレゴリー式

  • 特徴コンパクトな設計。主鏡の裏側で観察。
  • 用途昔の方法を知りたい人や専門的な観察に適している。
  • 一般的ではなく、現代ではほぼ利用されない。
  • 製造コストが高い。
  • 複雑な構造のため、メンテナンスが難しい。

カセグレン式

  • 特徴鏡の組み合わせにより、長い焦点距離を持ちながらコンパクトさらに高解像度。
  • 用途プロの天文学者や研究者が利用。詳細な観察が可能。
  • 他に比べるとメンテナンスは少なめ
  • 派生タイプも多くあり優秀なタイプでカセグレン式を使うことで応用の幅が広がる。
  • 高価なものが多い

まとめ

反射望遠鏡の種類は、特定の要件や用途に適したものを選ぶことが重要です。

ニュートン式はシンプルで安価、グレゴリー式は特別な構造で、カセグレン式はコンパクトで高解像度。
適切な望遠鏡を選ぶことで、自分が観察したい天体が見つけやすくなります。

反射望遠鏡の種類は他にも『ドールカム式』『ハーシェル式』『ナスミス式』『リッチー・クレチアン式』『シーフシュピーグラー式』『マクストフ・カセグレン式』『シュミット式』『シュヴァルツシルト』『クーデ式』『ヴォルター式』『集合鏡式』『液体鏡式』など様々なも音があります。ぜひ望遠鏡のことについて調べてみましょう。

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